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School Reform Law [イギリス考]

現在、イギリスでは教育に関わる法律が成立するか否かのただ中にある。以下英国BBCニュースのインターネット版で、問題の法律についてQ&A方式でまとめられていたので要約したい。

1、目的

トニー・ブレア首相の言によれば「学校に更なる自由を」というもの。具体的には、イギリスのセカンダリースクール(日本で言う中学校、高校レベル)レベルで新たにトラストスクールという形式の学校を設立しこの形式をイギリス国内に広める。トラストスクールの特徴として①学校が独自に自校の校舎や敷地をどの場所に立てるかもしくは購入するかについての選択権がある。②学校が独自にそのスタッフを雇い入れることができる。③入学選考基準について学校が独自に設定、管理をすることができる。の以上が上げられる。従来の学校は維持する中、このトラストスクールが従来型の学校にも刺激を与える役割を果たすことが期待されている。

2、インディペンデントスクールとの違いについて

インディペンデントスクール(財源が国から独立しているという意味で、日本の私立と同じであると考えていいと思う)がトラストスクールの手本になっているのは間違いない。しかし、トラストスクールは①授業料を課すことができない②利益を求めることができない③必要以上の資金を受け取ることができない、などの制約がある。

3、選抜

学校に入学選考基準設定についての大幅な自由を認める。ここで問題となるのは、大幅な裁量権を学校に持たせることが秘密選考(covert selection)を助長してしまうのではないか?という懸念である。これを防ぐため、トラストスクールも「選考実施要綱」(the code of practice on admition)にしたがうべきである、とする。そしてトラストスクールは「選考実施要綱」をただ単に「勘案する」(have regard to)のみならず、それに「のっとり作成」(act in accordance with)せねばならない、としている。

4、面接の是非

昨今、選抜方式として批判の対象となっている入学希望者とその両親に対する面接については違法とする。

5、地方事業機関について

大臣は、地方教育機関(LEAs)には、戦略的監督権(strategic oversight)が与えられると言及している。また、LEAsは選抜方法を含む学校運営に関する合意事項を共有するための「フォーラム」を主催する。「フォーラム」はすでにイギリス国内に存在するがその形態はまばらである。そのため背中案として、「フォーラム」選抜要綱に違反する学校について問題解決の決定権のある機関(Schools Adjudicator)に照会する権限を与えるというものがある。問題解決の決定権のある機関(Schools Adudicator)は選考方針にのっとり裁定を下すが、単独で介入はできないし他の機関が照会してきたもの意外は違反について知れ得ないようにする。

6、親権者の学校選択権

政府の説明では、この制度により両親の学校選択の幅が広まるということになっている。しかし、学校が満杯になれば、当然生徒達の場所を確保することはできなくなる。新しい選抜方法により学校は遠距離の生徒をも受け入れることができる。これにより学校の近くに住んでいる「貧しい」「比較的能力の低い」生徒を締め出してしまう危険性があると考えられる。一方、良い学校に入れるためにお金持ちが良い学校の学区に集まることからくる地域格差を是正する効果があるとして、政府案に対して肯定的な意見もある。

政府が提案しているトラストスクールに対する、市井の反応はそれほど芳しくない。この法律が成立しても、それほど急いでトラストスクール設立に民間は流れないだろうというのが大筋の予想である。ただ、「教育、教育、そして教育だ」とのスローガンで知られるブレア首相だけにこの法律を通すか否かは彼の沽券に関わることであるし、実際この法律案の転びようによっては彼の政権に相当なダメージがもたらされるとの予想が立っている。

沽券に関わる:be beneath one's dignity




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